- 生きた鬼にあったが。。。
- 誰もいないから勝手に話すよ。
今から45年前程の話。
当時自分は7歳ぐらい・・・小学校2年ぐらいだったと思う。
夏休みに町内のみんなで海水浴に行こうということになった。
30人ぐらいで 行った記憶がある。
家から30分ぐらい車で行ったところに 「喜多村」という
町名の地区があり、そこに「喜多村海岸」という海水浴場があった。 - 朝から行って、みんなで楽しく遊び夕方近くにそろそろ帰ろうかと
手分けして後片付してた時の話。
当時まだ小さかった私は2歳上の姉と波打ち際で穴を掘っていた。
後片付している大人はもっと上の方にいて、他の子供たちも周りにいなくて
そろそろ、大人たちの方へ移動しようといた時・・・
少し前から犬を連れた50歳ぐらいのおばさんがこちらに向かってやってきているのが見えた。
そのおばさんは、真夏におばさんがよく着るような テラテラの生地の
花柄のワンピースを着ており 麦わら帽子をかぶっていた。 - しゃがんで穴を掘っていた私達のそばまできた そのおばさんはしばらくじっとこちらを眺め
そのあと、私たちの掘っていた穴のすぐ横に座り込んだ。
小さかった私たちは、相手がおばちゃんということと
犬を連れているため散歩なんだろうな・・としか思わず別に怖いとか言う気持ちはなく
普通にいたように思う。 - 誰も来ないのでまた勝手に書く。
何もしゃべらず横に座ったおばさんを無視してたら
そのうち「う〜。う〜。」ってなんか唸るような声がかすかに聞こえてくるようになる。
初めは おばさんの連れてる犬が唸ってるのかと思ってたけど、
犬はおとなしくおすわりをして海をみている。
どうやらその唸りはおばさんから聞こえていることに気付いた私と姉。
2人で同時ぐらいに おばさんの顔を見たと思う。
そのとき強い風が吹き、おばさんのかぶっていた麦わら帽子が飛ばされる。 - 誰も来ないので勝手に書く。
おばさんはだまって座って穴を見ている。
そのうち無視していた私たちの耳に「う〜。う〜。」という唸り声が聞こえるようになる。
初めは おばさんの連れている犬が唸っているのかと思っていたが
その犬は大人しくおすわりをして海を見ている。
どうやら唸り声は 犬ではなくおばさんから発せられていることに気付いた
私達は、同時位におばさんの顔を見上げる。
そのとき おばさんのかぶっていた麦わら帽子が風で飛ばされる。 - おばさんの頭につのがあった・・・。
つのというのかな・・にんじんを半分ぐらいの長さにしたぐらいの
たんこぶを長くしたような物というほうがわかりやすいかな・・。
色は肌色。
つのに毛は生えていないつるつるした物。
おばさんんはあまり毛量がなく、あごしたぐらいの長さの髪で
頭頂はほぼ髪がなく薄い髪の頭の頭頂から そのつのは出ていた。 - 私達2人はそのつのにくぎ付けになる。
風邪に飛ばされた麦わら帽子を気にも留めずおばさんは私たちにむかって
ニタ〜っと笑った。。。。
その口元から4本の牙が見えた。
上に2本長い牙。
下に2本短い牙。 - 「見たらいかん!!!」
姉が私の手を取り走り出した。
私は半泣きになりながら姉について大人たちのもとへ走った。 - 大人たちのもとへついた後なきながら 鬼がいる!!と訴えた姉。
だれにも相手にされなかった。
ふたりで泣きながらぶるぶる震えていたのを覚えている。
そしてこの話には後日談がある。 - 後日談。
それから何十年もたって大人になった私。
友人と食事に行った時の話。
老舗の洋食屋でカウンターに座った。
友人が最近怖い目にあったという話を始め、
その後しばらくお互いの怖い目に遭ったという会話に話がすすむ。
そこで私は小さい頃海水浴場で鬼をみた。。という話をする。
書き込みした内容と同じ内容を友人にはなしていると
お店のマスターが話に入ってきた。
「ごめん。その鬼の話なんやけど。。。」
常連だったから、話に入ってきたマスターと一緒に話すこととなる。
マスターから
「それ喜多村?」
と聞かれる。
まさに喜多村での話。
でもその時の話の中で 地名は出してなかった私は驚くことになる。 - 「その鬼笑った?」
と聞くマスター。笑った。と答える私。
マスターは私からみたらおじいちゃんともいえるほどのお歳の方。
そのマスターが言うには
(
昔私が生まれるもっと前 喜多村(きたむら)は鬼多村(きたむら)という地名だったそう。
その名の通り 鬼が多くいるという村で実際昔の人は 鬼を目撃したという話が沢山あったという。
しかし時も立ち土地も開けてきたにもかかわらず、「鬼」というイメージから
人があまり寄り付かず、当時の村長が
鬼多村から喜多村に改名したそう。 - 昔から鬼にあったら鬼の顔をみてはいけない、と言われていたそう。
もし鬼にあって顔をみてもすぐに目をふせるようにと。
その鬼と目があって笑われたら不幸になる。。。という言い伝えがあるらしい。
鬼笑ったんやけど・・・・・w - あれから45年。。。。
不幸なんかな。。。w
確かに幸せではない。
現在 喜多村という地名はなくなってる。
何年か前に隣村と合併して地名はかわったらしい。
愛媛県のとあるむらの話。
以上。 - 面白かった
ライブオンできなかったのが悔しい
引用元:https://toro.2ch.sc/test/read.cgi/occult/1635733658/l1000